指定計量証明事業所

指定採水員制度と「指定計量証明事業所」について


埼玉県は、県土の中を流れる河川が占める割合(3.9%)は日本一です。 この豊富な河川の流域面積を誇る埼玉県ではありますが、河川の水質汚濁は十分に改善されていません。 この一因が生活系の排水であり、県内の河川に与える汚濁原因の約72%を占めるとされています (埼玉県生活排水処理施設整備構想 H23 )。 生活系の排水は公共下水道や浄化槽、農業集落排水処理施設により処理されていますが、その中でも 個別処理である浄化槽は、維持管理が所有者に任され、水質を確認することが重要です。この確認は、浄化槽法に基づき指定検査機関が検査により実施していますが、法定検査の受検率は、平成23年度現在で 10%程度です(第11条検査)。

そこで、埼玉県は平成23年10月1日より新制度として

○ BOD分析を項目に追加
○ 指定検査機関が認定した指定採水員による検査(指定採水員制度)を新設(10人槽以下が対象)

という制度に強化し、公衆衛生の向上や水環境の保全ために立ち遅れていた検査制度を大幅に見直しました。
埼環協では環境保全や検査制度の推進に協力するために、環境計量証明事業の団体として、分析上のノウハウを生かし、 この制度にあるBOD分析を支援しています。 BOD分析は、埼環協の会員のうち、埼環協が定めた要件を満たす「指定計量証明事業所」が担います。
法制度は、埼玉県水環境課のホームページで確認できますのでご参照ください。

【埼玉県環境部水環境課のホームページ】 http://www.pref.saitama.lg.jp/a0505/kurashi/kankyo/shizen/mizukankyo/jokaso/ijitop.html

【補足】

※ 浄化槽は法律上は、合併処理浄化槽(屎尿と併せて生活雑排水を処理する)を指します。

※ 埼玉県では、生活系の汚濁の一つである生活雑排水(し尿を除く台所やお風呂などの排水)が未処理である単独処理浄化槽(みなし浄化槽)や汲取りトイレを利用している家屋などへの対策として、公共下水道への接続や浄化槽(合併処理)への転換を推進しています。

※ 浄化槽は、施工状況、維持管理や清掃、そして利用者の使用状況が正しく行われていることが重要です。浄化槽法に基づく指定検査機関はこれらの事項を専門的かつ第三者的に検査し、行政に報告しています。すなわち、行政の補完業務であります。なお、浄化槽法の検査は合併処理浄化槽のほかに、単独処理浄化槽(法律用語では「みなし浄化槽」という)も対象です。また、受検率では、浄化槽法第7条検査(設置後の水質検査であり、施工が正しく行われているか確認する検査)は約90%です。

※ 令和元年度より、指定採水員制度による検査対象に「単独処理浄化槽(みなし浄化槽)」が加わりました。

※ BODとは、生物化学的酸素要求量のことで、河川の汚濁の指標となるほか、浄化槽等の浄化施設が処理した水質を示す分析方法です。

※ 埼環協が指定した「指定計量証明事業所」は、BOD分析などの水質分析に実績がある分析機関であり、定期的に外部精度管理を行っています。